2016年10月24日月曜日

マーガレットの話(3)『ドン・カルロスの教え』(10)

【ご注意】性的な描写があります。

カルロスとマヤヤは完璧なペアだった ~ 情熱的、感覚が鋭く、エキセントリック。
カルロスは、貧乏だったがマーガレットは気にならなかった。

生活のためにカルロスは、タクシー運転手、スーパーマーケットの野菜担当、酒屋の配達、マテル玩具のデザイナー、アパレルショップの会計係などをしていた。

二人はコンサートや演劇、講演会や読書会、展覧会のオープニングセレモニーなどに出向いた。
できたばかだったハリウッド・ブルバードのビート族が集まるコーヒーショップの常連だった。そこでギンズバーグ(Allen Ginsberg) や ケルアック(Jack Kerouac)たちと肩を並べてコーヒーを愉しんだ。

カルロスの絵画や彫刻への興味は次第に薄れ、試作や散文に移っていった。
その頃作った詩のひとつはコンテストで優勝しコミュニティカレッジの学生新聞に掲載された。

(次のパラグラフは、カルロスが大の映画好きだったという説明ですが割愛します。)

カルロスはファッションに気を配っていた。

長い間着たシャツの襟が擦り切れてくると、切り離してから裏返して使ったりした。イタリアでジプシーの楽団と暮らしていたころに覚えた技術だと言っていたが、こうしたエピソードはいつも違っていた。(続く食べ物の好みも省略します)

白人社会である大学生活では背が低いこと、強いアクセント、肌の色などを気にしていた。
彼はよく人に自分は正統なユダヤ人だと言っていたが、マーガレットは本当かどうか尋ねることができなかった。

もうひとつ、彼女が尋ねることができなかったのは、なぜ彼が一度もセックスをしてくれないのかということだった。
カルロスはオーラルセックスについては熱心につくしてくれたが、それ以上に進まなかった。

いずれご紹介する予定のAmy Wallaceの本でもそうですが、欧米の女性たちのセックス描写というのは露骨で気色悪いです。
例のBBCのドキュメンタリーで本人たちが映像で登場して証言するのでさらに驚かされます。

英語だと、そのテの用語や言い回しが多いのでサラっと言えてしまうということもあるのかもしれません。

Amy Wallaceによると、カスタネダは精管切断手術(vasectomy)、いわゆるパイプカットをしていたそうです。(Amy)
日本人の年配の方がには大橋巨泉が有名ですね。(追記:ご冥福をお祈りいたします)

よって、後に子供が欲しくなったときC.J.カスタネダを養子にする展開が待っているわけです。
パイプカットは、もとに戻せると聞いたことがありますが、そうそう簡単なことではないらしいです。

パイプカットと上記のマーガレットとの性生活を知るに、避妊ということに非常に神経を配っていたのかもしれません。

実は、カスタネダは故国ペルーに妊娠した婚約者を置き去りにしてアメリカに来ました。(Amy

この体験がカスタネダを臆病にしていたのかもしれませんし、呪術師だから妊娠する心配がないという伝説を作りたかったのかもしれません。

マーガレットの好きな作家(ハックスレー、ヘッセ、ゴダード、行動主義者J. R. Rhineなど)に影響されカルロスはアストラル体投射やESP(超能力)などに興味をもつ連中とのつき合いをするようになった。

アパートに集まっては夜中まで大好きなMateus Roseワインを飲みながら話し込んだ。Mateus Roseについてはよく冗談で、「ぼくのいちばん大切な先生だ」と言っていた。
Mateus-CTH.JPG
これはロゼではありませんが

ここから、ドン・ファン・マトゥスという名前を考えたのではないかと言われています

カルロスが一番好きな話題は、ハクスレーのメスカリンを使った実験だった。

『知覚の扉』のことですね。素晴らしい本です。
あたしも絵がすてきだし大好きです。

彼はこのテーマをLACC二年の英語のクラスの論文にした。

LACCで準学士号を受け取るとThe Sacred Mushroom, by Andrija Puharich(プハリック)に影響されてUCLAの文化人類学部に転入した。

プハリックのこの本は、古代エジプト人だった自分の過去(前世)と行き来して前世の記憶を思い出すことができるオランダ人の彫刻家についての本だった。

この彫刻家が深い催眠状態になると古代エジプトのIVth Dynasty(王朝)の呪術師Ra Ho Tepになり失われたエジプト方言を話すことができた。

プハリックの本で古代のシャーマンが聖なるキノコ(Aminita Muscaria)を利用して幽体離脱を行っていたことが明らかになった。

Puharieh(スペル間違い?)は、原始神秘主義者たちの幻覚剤に詳しい文化人類学者、Gordon Wassonにインタビューした。

ワッソンは、例のデミルの本でペヨーテに関する批判の根拠となった学者です。

ワッソンは、そのような古代のキノコ崇拝がメキシコの砂漠に今も残っていて、curanderos(治療師)あるいは呪術師たちはシロシビンキノコを治療や占いの儀式のために食べると話した。

カルロスが特に興味をもったのは、Puharichがオルダス・ハックスレーの実験に関わっていたということだった。ハックスレー立ち合いの元、Ra Ho Tepは聖なるキノコを与えられ古代の儀式を執り行ったのだ。

Puharichの本は、文化人類学者、J.S.Slotkinとの対話も収録されている。Slotkinは、ペヨーテを使って夢による非日常的現実を扱うネイティブアメリカンの教会研究の専門家だ。

(次のパラグラフではカルロスの非日常的現実に対するあこがれについて記載されていますが省略します)

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