2016年12月21日水曜日

Amy(4)1 世界で最もとらえどころのない男(2/2)

カスタネダのプロファイルの続きです。

1968年に『ドン・ファンの教え』がSimon and Schuster社から出版されたとき、UCLAの文化人類学部では、カルロスのフィールドノートを確かめずに学位を与えたということでスキャンダルになりました。
この件についてカルロスはノートを無くしたと主張しています。(Amy6)

また、呪術修行の様子を記した唯一の第二稿を映画館に忘れて無くしてしまったとも言っています。

本を読んだ世界中のファンがソノラ砂漠にカルロスやドン・ファンをはじめとするヤキ・インディアンを求めて訪れましたが誰ひとり成功しませんでした。

第二巻目の『分離したリアリティ』は1971年の出版。
カルロスのあまりの間抜けっぷりに、Adam Blockというジャーナリストは、ドン・ファンは俺を弟子に選んでくれればよかったのにと思ったそうです。(Amy7)

また呪術師のドン・ファン・マトゥス(Don Juan Matus)という名前は、おそらくカルロスが結婚したときに飲んでいたワイン(Mateus wine)から考えたのだろう、とMargaret Castanedaは言っています。(Amy6)

上記の内容から、Amyは、Margaretの本を参考にしていることがわかります。

その他にもジョン・レノンがオノ・ヨーコのことを私のドン・ファンと呼んだ(Amy8)というエピソードや各種メディアのインタビューに関する記載がありますが、割愛します。
前述のように、あたしたちのイメージとは裏腹に普通の(でも謎めいた)著名人としてカルロスはハリウッドの社交界にデビューしていました。

ショーン・コネリー、スティーブ・マックイーン、クリント・イーストウッドのようなエピキュリアン的生活を見て、あのような生活をしていたらガンになる。僕は絶対にガンなんかでは死なないよ!とAmyに言っていたそうです。

巨匠フェデリコ・フェリーニも彼に映画化を持ち掛けていました。フェリーニの恋人、Ginaの愛称で呼ばれていたRegine Thalにそのころ出会います。ドイツ系のベネズエラ人。後にカスタネダのコミュニティに仲間入りし、あのFlorinda Donnerになります。(Amy18)

さて、パーティーから帰って来たAmyの父親がこんなに興奮しているのはオーヴァルオフィスでケネディ大統領と会った時以来のことだったそうです。(Amy21)

両親はパーティで出会ったカルロスの連れ(恋人かどうかはさだかではなかった)のAnna-Marie Carterにも魅了されていました。

「何か不思議なことが起きているようだった」とIrvingが言っていました。
Anna-Marieは当時UCLAの大学院で文化人類学を学んでいた学生です。(Amy21)

このAnna-Marieが、後のTaisha Abelarです

妻(のMyra)はファンでしたが(エージェントだった)Ned Brownは、カルロスの本はナンセンスだと思っていたので読んだこともなかったそうです。

カルロスは、担当の編集者のMichael Kordaとの方が知的な交友関係があって、Kordaがいつも「本当は、でっちあげたんだろ?」と聞くので困っているとAmyにこぼしていたそうで、その質問は、いつも笑い飛ばしていたそうです。

父親の計らいでNedに頼んでカスタネダと家族で食事をする機会を設けてもらいます。
彼女は、こんなに緊張したことはないと書いています。

場所はNedの家。彼女の兄のDavidと妻のFloraも同行しました。彼の姿が普通のスーツとタイという姿で拍子抜けしたそうです。

もっと変な恰好(ターバン?羽飾り?)をしている人だと思い込んだいたとあります。
Anna-Marie(Taisha Abelar)もつれてきたそうで、興奮しすぎて、その夜の会話はまったく覚えていないそうです。(Amy22~23)
Anna-Marieはカルロスに負けないくらい魅力があったとあります。

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わかれぎわカルロスが手を握ってわたしの目を見ていった「われわれはまたお会いするでしょう」数日後、署名してある『分離したリアリティ』が届いた。
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本の中表紙に書かれた署名とメッセージの挿絵があります。(Amy24)

この文章(が下手なの)を見て、カルロスは違うと言い張っていますが、カルロスの本はプロのライターに手伝ってもらっているのではないかと思ったそうです。

数年後、出版社のSimon and Schusteにいた知り合いが確かにライターがいたと教えてくれた、とあります。

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一週間後にカルロスの夢をみた。カルロスの後ろには魔女のひとりがいた。
カルロスは、われわれは再会するだろうといった。
この夢を生涯忘れたことはない。(Amy25)
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