2016年12月25日日曜日

Amy(7) 2 しばらくして(3/3)

カルロスや彼の取り巻きたちとの関係が深まっていきます。

この事件(ラ・ゴルダ消失)のあと、カルロスがいなくなってしまうのではないかと思ったが杞憂だった。
その後もカルロスは両親のパーティに現れた。

その頃、初めてブラインド・デートをした。
彼はわたしがカルロスと知り合いだということを知っていた。彼はカスタネダのインチキを暴こうとわたしに言った。

ブラインド・デートというのは、誰が相手かわからないデートで、ある種の出会い系イベントです。

(その時の相手だった)Dennyは、カルロスがペルーに妊娠したまま残してきた母とその娘(Charo)と知り合いだったのだ。彼らはスイスに住んでいた。

そのことを知ったカルロスは、娘にアメリカでの教育の機会を申し出て、ラスベガスに娘を呼び寄せたが、なぜかすぐに送り返してしまった。(Amy35)

カルロスとの縁で最も重要なのは1980年。私が25歳の時だ。
私は当時、ジャズ・ミュージシャンと結婚していてバークリーに住んでいた。
『Book of Lists』という本を家族と共著で出版した頃だ。


カルロスとフロリンダに呼ばれてサンタモニカで食事した。
いつもどおりカルロスは「セックスレス」な雰囲気だった。

フロリンダは、色っぽいのに、Anny以上に彼と恋人という感じに見えなかった。
フロリンダとAnnyは正反対でフロリンダ活動的、アニーはおしとやかだった。

カルロスに言わせると二人は相補的でお互いが「小暴君」(petty tyrants)として存在しているそうで、二人はまったく気が合わず喧嘩ばかりしていた。(Amy35)

『Book of Lists』の話になった。その中に私が興味をもっていた「人間の自然発火現象(Who Have Spontaneously Combusted)」の項目があった。

カルロスが、「自然発火をどうしたら起こせるか知ってるかい?」と聞いた。
あたしがもちろん知るわけがない。

先週、ふろに浸かっていたら僕の左足が燃え始めたんだ

フロリンダがテーブルの下でカルロスの足を蹴ったのがわかった。

いきなりカルロスが話題を変え、フリオ・イグレシアスの家を訪れたときの下品な話をしだした。

このとき、あたしはカルロスのグループメンバーの面接試験に落第したことを悟った。

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15年後。カルロスの腕の中でこのときのことをたずねたら(私が落第したというのは)本当だった。(Amy40歳。カルロス69歳です!)

わたしが落ちた理由を尋ねた。
君はあの時、世の中に”税金”を払うのに忙しかったからさ

きみは結婚していたし、バークレーに邸宅を持っていたし、友達も多かった。それらを手放すことはできなかった。加えて、きみのお父さんがまだ存命だった。君にそれらを捨てさせることはできなかった。きみを自由に、鎖の環を切れなかった

1989年までに離婚が成立した。中国の瞑想と武術に夢中だった。
83歳の老師に気功(chi kung)をサンフランシスコで習っていた。
カルロスにぜひ老師に会うべきだと手紙を出した。この手紙で交際が深まった。

新たな人生のパートナーを探していた。
父はがんに侵されていたが医者にかかろうとしなかった。わたしもホルモンのバランスがくずれ薬を飲んでいた。

そんな中、父が亡くなる1年前、本当の魔術の冒険が始まろうとしていた。

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