2016年10月11日火曜日

『呪術師の飛翔』(6)

●9  クリスタルの秘法

タイシャは、ドン・ファンから贈り物としてクリスタルをもらいます。(飛翔146)
このクリスタルを使った力の動作をクララから習いますが、クリスタルを時計周りに回すと危険だからぜったいにしないように言われます。
それは古代の呪術師がクリスタルを武器として使う方法に関係があると言われます。(飛翔158)

クリスタル(水晶)に関する話題は、ドン・ファン・シリーズでは二度、登場してます。
一回目は、『教え』の序文で。もう一回は、『旅16 力の輪』です。
ドン・ファンは、『旅』の方でクリスタルを武器として使うことについて言及しています。

この章にはタイシャの経歴に関して記述があります。

彼女は、かつて日本の空手を習っており、国際空手道選手権大会に参加するため日本に行ったことがあるそうです。(飛翔149)

大会の会場は、武道館です。先生たちが男性の生徒だけをステージに立たせるつもりだったことに腹をたて会場でアピールし強引に出場して大恥をかいて破門された話をします。

空手には団体がいろいろあるようなので、どの団体なのかわかりませんが、武道館を使うことができる団体は限られていると思います。

あたしが太極拳を習い始めたときは日本太極拳教会という団体関連のグループでした。座長の三浦英夫先生(故人)という某新聞社出身の会長?がいまして、その団体だけが武道館で練習をやっていました。だから空手業界もたぶん同じだろうと思います。

空手でそんな団体を検索してみましたが、残念ながら1900年代の記録はネットには上がっていないようです。もしタイシャの話が事実なら変な外人の”少女”がいきなりマイクを持って騒いだ大会を覚えている空手選手の方、きっといらっしゃると思います。

タイシャを”少女”と書きました。この『飛翔』の中のクララに出会うタイシャは、19歳です。その時点での「反復」作業の思い出ですから少女と書いたわけです。

まったく余談ですが、あたしがはじめて中国に行ったとき、上海で上述の三浦英夫先生とホテルで同室、二人部屋だったことがあります。

あたしも若かったので大先生と同室でもおじいちゃんと一緒みたいな感じでどうってことなかったなと思います。

むしろ三浦先生の方が神経が細くてあまり眠れなかったようでした。三浦先生は、外見が(写真の)楊澄甫に似ていました。懐かしい思い出です。いきなり「楊澄甫に似ていました」って言われても・・・それ誰?

考えてみれば、太極拳の洪均生老師は、あたしたちから見ればかなりドン・ファンだったなぁと思います。

この章では、すでにおなじみの「見る」ことに関する説明もあります。(飛翔154)

●10 呪術師のダブル

この章でタイシャははじめてマジカルパスという言葉に出会います。(飛翔163)
またダブルについて、クララは「二重露光」のようなものだと説明します。(飛翔178)

「反復」作業の一環でタイシャの家族との確執が話題になったとき、クララが言います。
「思うに、タイシャの問題は、子供の頃約束したことに端を発しているんじゃないかしら?子供の頃、何か約束しなかった、タイシャ?」

まじか?!

これはカルロスの「こどもの頃の約束」と同じ展開です。
これを読んだとき、占い師や民間療法士などがよく使うテクニックだったのだとわかりました。

考えてみれば、このフレーズは悩みをかかえている人間に対して万能の言葉ですよね。

例)
「あの。妻とうまくいってないんです」
「どれどれ、ちょっと背中を軽くたたかせてください。
 むぅ。ひょっとして、あなた。子供の頃なにか大事な約束をして忘れていませんか?」
こどもの頃の約束なんていくらでもしてますし、そしてすっかり忘れてますから、その後の患者の答え方次第でどのようにでも持っていけますよね。ハンコとか壺売る時も役立ちそうなテクニックです。

これが、「あなた、こどもの頃、骨折してますね?一度」なんて質問だったりしたらはずれてたら一発でダメですからね。ま、それでも「そうですか、してませんか?おかしいな。それに近い感じの怪我をした感じを受けるのですが・・・」とか持っていけます。

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