カスタネダのセックス論が続きます。
「もし、片方の親がものすごいオーガズムを感じていれば、”二分の1退屈なセックス”の可能性があるので、まだましだ。真の”非ボアドファック(退屈ではないセックス)”はもっとエネルギーがありエネルギーを失うことなくセックスすることができるんだ。
残りの(退屈な)人間は独身生活を営まなければならない。そして魔法の運動の練習と”反復(recapitulation)”をしなければならない。この瞑想のやりかたを後で教えてあげるよ。僕は本当の”ボアドファック”なんだ。僕はこそこそと大急ぎのセックスの結果生まれたんだ。だから僕はいつでも緊張しているし、ずっと独身を通さなければならないんだ」
私は反論した。私は遅くに生まれた子供だったし、その頃、両親とも不倫をしていた。私は望まれて生まれた第二子だったけれど、母はひどい神経症を患っていた。カルロスの理論はナンセンスだった。
「そうか。でも君には何かある――それが何かはわからない。エイミー、きみはわかっていない。きみはぼくたちにとってはエッフェル塔よりも大きいんだ。君は、ぼくたちがずっと待っていた”the Electric Warrior”、”無限”へ導いてくれる存在なんだ」
ご承知のように、カルロスは1993年にMelissa Wardを口説く際にもまったく同じセリフを言っています。ここAmyにモーテルでこの言葉をいったその2年後のことです。
下衆にもほどがあるね~。
わたしはカルロスを疑わしげに見た。
気味わるい―露骨なニューエイジ系の追従だ。
翌日、バークレーに戻った。(この後、簡略)
カルロスは頻繁に電話をかけてきた。
わたしの健康やダイエットにかんしてアドバイスをした。毎日ステーキを食べるように、果物をたくさんとらないように、耳の感染症に抗生剤を飲むように、歯の治療をやらないように。
カルロスのアドバイスに従った結果悪化してしまった。
なんで従うのでしょうか?お人よし?
でも、日本でも、カルトによる治療で病人が亡くなったり、もう死んでいる人間をまだ生きていると言ったりする事件がありますよね。
でも、カルロスの話が面白いので魔女たちにいやな目にあわされた気持ちもうすらいできた。
彼は、一日に何度も電話してきた。
The Perils of Pauline |
これも、Melissa Wardと同じです。カルロスの性向であるし、戦術でもあるのでしょう。
彼は話が上手なだけでなく話を聞くのもうまかった。
つい人々は彼に自分の秘密を話してしまうようだ。(Amy89)
カルロスは、ドン・ファンに”呪術の修行”の一環で泥酔して同じ話を繰り返ししゃべる浮浪者の話をとめどなく聞くという訓練を課せられた話をしてくれた。
同じ話を聞いている間、ずっと興味がある態度をとり続けられるようになったといった。私にもその技術を教えてくれるといった。
カルロスは私のニックネーム(呪術名)を考えていた。まずはPauline。(”The Perils of Pauline”にちなんで)もうひとつはPearl。”Pearl Whilte”から。
Pearl Whilte The Perils of Paulineを主演 |
ある日、私がAmyという自分の名前が好きなんだといったらカルロスは不機嫌になった。家族がつけた名前は奴隷のようなものだというのだ。でも私はその後何年もエイミーでありつづけた。
(簡略)親戚に不幸がありロスに行くことになったが、(ロスにいる)カルロスに許可も得なかったし伝えなかった。それを知ったカルロスが驚愕した。
私がカルロスのバランスを崩した数少ない例だ。
カスタネダが教える”近づき難いこと”を実践しただけだ。
この結果、カルロスのあたしにたいする情熱が増幅され、偶然にもある扉を開いてしまった。
この後の展開も知らずに。
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