2016年10月18日火曜日

”フォロワーズ(The Followers)”の話(前篇)(2)『ドン・カルロスの教え』(4)

※基本色の文字は、原文の抄訳。色は、あたしのコメントです。
 カスタネダ用語は、にします。

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「完璧な戦士ってのは時間を気にするかな?」グレッグが皮肉っぽくいつものふざけた調子でガビにいった。「ま、光るタマゴのぼくたちには時間は関係ないね」

「うーん、わからない・・・」ガビはグレッグの冗談を軽く受け流して、通りの向こう側を神経質そうに見ていた。彼女は指で自分の薄い唇をつまんだ。

通常、彼女の声にはドイツ語の強いアクセントが残っているのだが、今夜、それが柔らかく心配そうに聞こえる。何かが気になっていた。何かがおかしい。

カスタネダ(呪術師)との別れについての彼女がとても腹が立つことの一つは、彼女がようやく進歩をしはじめていた時だったことだ。

上のパラグラフでカスタネダの後にカッコで呪術師と入れています。原文では、カスタネダの代名詞として呪術師と書いている場合が多いのですが、日本語になおすと”the”がないため、わかりにくいので、原文が「呪術師」となっていても以下、カスタネダに直してある場合があります。

それはちょうどグループがサンタモニカのスタジオを借りて”マジカル・パス”――武術のような動きでエネルギーを集める体操――の練習が終わる頃だった。

「グループ」は、Inner Circle(内輪の会)と呼ばれる集まりのことです。
「別れ」については前日のエントリーにも書きましたが、ちょっと経緯が不明です。
BBCの番組の発言からすると、カスタネダの教義に疑問をいだいてグループを去ったということかもしれません。

彼女が、カスタネダの3時間もの長さがあるレクチャーの一本を熱心に見ていたときだった―そのテープは、Lenny Bruce (October 13, 1925~August 3, 1966)やFidel Castro(August 13, 1926~)やメスカリト緑イボイボの頭をしたコオロギのようなペヨーテの精)についての非常に面白い内容だった―カスタネダの頭の左後方から渦、液体状の渦巻きが空中に現れたのだ。

そのことがあって以来、不可思議な事象と啓示が次第に強くなっているように思えた。

何カ月にも及ぶ「監視」を続けながら、世界中にある多くのファンによるグループ同様、グレッグと”マジカルパス”の練習を行ってきた結果、彼女は、最近、自分の内なる声に気づくようになった、それはある種、知恵の倉庫であり錨のようなものだった。

その声は、呪術師がいうところの「使者」だった。使者は彼女の質問に答え、選択を示し彼らの探求が宇宙の意志が支援していると言った。

そして声は1997年のこの火曜日に注意しろと伝えた。何かが違っていた。何かがおかしいと彼女は感じていた。

「行ってみよう」とグレッグが我慢できずに車のドアの取っ手に手をかけた。
「もうちょっとだけ待って、いい?」

UCLAからほど近いウェストウッド・ヴィレッジの高級住宅街に黄色がかったスタッコ仕上げの屋敷がある。低めのこけら葺き屋根。L字型の平面の建物で、窓には格子がつけれ、大きな中庭がある。通りからは約4メートルの高さの椿の生垣が目隠しとして植えられている。

グレッグたちが車を停めているPandora AvenueとEastborne Avenueの角からは、それら通りに面する二か所の門を見ることができた。各々の門はそれぞれ違う住所になっていた。



Eastborne通り側は、男性の訪問者だけが利用していた。

呪術師の教えによると「右」は、経験に基づく知識、私たちが通常知っている知識―トナールを象徴しているからだ。そして左側は、謎めいていて未知の―ナワールだ。

ナワールとトナールは、カスタネダ用語ではありませんが、カスタネダ・スクールが教えるトナールとナワールということで赤字にしました。

カスタネダは、トルテックの何千年もの歴史につらなるシャーマンの系譜を受け継いだナワールとしても知られている、トルテックは、マヤ文明に先行する中央北メキシコに住んでいた前ヒスパニック時代のインディアンたちだ。

パンドラ・アベニューに面した左側の入口は、呪術師本人と彼の仲間の女性たちが使用する。
三人の魔女the Chacmolsthe Blue Scout(青い探索者)、the Electric Warrior、の他、内部女性メンバーが使う。”フォロワーズ”は、そこをパンドラ・ゲートと呼んでいた。

変な名前の女性たちがずらっと登場しました。

Blue ScoutもElectric Warriorもカスタネダのオリジナルのようですが、Chacmolsだけは、オリジナルがあります。

メキシコを中心としてマヤ地代に作られた彫像のことだそうです。詳しくは、Wikiにて
チャクモールについて、本作の著者マイク・セイガーは、スペルを間違えていまして、Chacmoolのところo(小文字のオー)が一つたりませんで、Chacmolになっています。他にも固有名詞のミススペルを見つけましたので適宜コメントを入れることにします。

英語名をみていただくとわかりますように、Chacmoolだけは複数形になっています。
ニックネームというよりも「役職名」に近い感じです。Amy Wallaceの本では、Chacmoolひとりひとりの名前も登場します。

ブルースカウトなどは、単数形で個人個人につけられたニックネームです。Electric Worriorについては、ひとことありまして、こちらをご覧ください

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