ドン・ファンはここでも摘み取る手順に対して非常に厳しい儀式めいた命令をします。
もともとピクニックは一泊二日の予定だったようで夕方になるとドン・ファンがぽつりとつぶやきます。
「たそがれっていうのは二つの世界の裂け目なんだ」
( The twilight is the crack between the worlds)
このフレーズは、後にも登場します。
これって日本語の「逢魔が時(おうまがとき)」と同じ意味ですよね。
夕暮れ時は化け物など怪しいものに出会いそうな時間帯だってことで、ドン・ファンの教えと重ねると世界の裂け目から怪しい連中が出てくる時間なのかもしれません。
さて、ドン・ファンはキノコ狩り、じゃなくてペヨーテ摘みに来たわけですが、自前の乾燥ペヨーテを持ってきてまして夜中に突然セッションがはじまります。
アイー!とか叫んでね。
ドン・ファンはメスカリトのことを「アブートル(?)」だとか「アヌークタル」と呼びますがカルロスもラリってるのではっきりとはわかりません。
夜中で真っ暗なのに物がはっきり見えているのに驚きます。
そしてメスカリトに再開します。
目は水。頭はイチゴのようにとがり、肌は緑色で無数のイボがあって、頭がとがっていることを覗けば彼の頭はペヨーテの外観にまったくそっくりであった、といいます。
こおろぎのように50メートルほど飛んだとあるので仮面ライダーみたいなイメージでしょうか。
ビジュアル的には、スターウォーズの一作目に登場するGreedoという宇宙人(名前は今知りました)を思い浮かべました。
メスカリトが人を受け入れたら、そいつの前に人か光として現れるそうです。
メスカリトが問います。「何が望みだ?」
カルロスは、ここで罪(sin)を告解しますが、読者のあたしたちには明かしてくれません。
メスカリトのアドバイス?も不明です。
ここが知りたいのに。
翌日、彼らはペヨーテを摘みながら帰ります。
二つの袋に110個のペヨーテの芽をつんだそうで、袋に入れたメスカリトは自分の領域を離れたがらず袋がずっしりと重くなるそうで、メスカリトの土地を離れたらいきなり軽くなった、と書いてあります。
アニミズム心が満載です。
「そこ(メスカリトに完全に受け入れられたら)までいったらぼくは何をしたらいいんだい、ドン・ファン」
「強い人間になっていなければならんし、生活も誠実でなけりゃいかん」
「誠実な生活ってなんだい?」
「慎重で正しい強い生活さ」(教え124)
確かに、慎重なことは大切ですなぁ。
追記2017/4/22)カスタネダは、ドン・ファンの教えを守りませんでしたね。
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