2016年9月23日金曜日

旅13 戦士が最後に立つ場所

1962年1月28日、ふたたび二人は、力を探しにいく旅に出ます。
ここのところずっと力探しの旅です。

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北の方へ600キロほどのんびり気分で車を走らせ、それからパン・アメリカン・ハイウェイを離れて、じゃり道を西へ向かった。(旅201)
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そういえば、パン・アメリカン・ハイウェイって名前だけは聞いたことがあります。
今回は、手抜きで日本語版WIKIでメキシコ内のルートをざっと確認しました。
ひもといてみますとパン・アメリカン・ハイウェイはいわゆる「東名高速」みたいにはっきりとした区分けがないのでなんともつかみどころのない感じです。

これまで、ドン・ファンの住まいはエルモヒージョとトリオの間の農村(里)と推定したことがありますが、ここに掲載した地図は遠く離れています。
地図に出ているこれまであたしたちが知っている登場地区でいうとドン・ファンとドン・ヘナロが一緒に暮らしていたことのあるオアハカだけです。
(またカルロスはメキシコシティにも通じていることがわかっています(Amy102)

もしオアハカを出発点にするとなんとなくつじつまがあいそうです。

地図のグラフィックに200キロのスケールを合わせてつけておきますので上記の600キロと照らし合わせて推理を楽しむのも一興かと。



前回、「戦士の気持ち(1)」では、
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家から100キロあまり南の方へ、そこから東へ向きをかえて山の傾斜地へ
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でかけています。これは家を前述のトリオあたりに想定するといい感じになります。

夜の11時に暗闇の中を二人が歩きます。前を歩くドン・ファンの足元だけを見るようにいわれ猛烈なバイタリティのドン・ファンについていくのでへとへとになります。ついに地面にひっくりかえってしまうと、
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ドン・ファンが横になったままのわたしの腕をつかみ、その場でクルクルまわした。そして元気をとりもどしたければ、頭を東に向けろ、と言った。少しずつリラックスしはじめ、痛むからだも休まっていった。(体術)(旅206)
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その場で太陽を待って、”まえぶれ”を待つことになりましたが、理由はわからないけれど、どうやら失敗してしまったようです。(旅206)
(まえぶれを見るために地平線の上にある雲のかたまりを例の焦点を合わせない目で見るように言われていました)

このあと、カルロスはなかなか見つけられないかん木に生えている薬草を捜しまわされたり、なぜか「ひも」と呼ばれる石を18個、輪の形に並べ、それを一個一個、ドン・ファンが投げてそれを捜させられて元の場所に戻したりわけのわからない修行をやらされてへとへとになります。

最後に、その輪の中にドン・ファンが用意した寝床に倒れこむように眠り休みます。
目覚めると非常に気分がよくなっています。

ドン・ファンが言います。「この丘の頂上はおまえの場所、おまえの最後の場所だ。この、おまえのまわりにあるものはみんな、おまえの保護のもとにあるんだ」
「この丘のてっぺんは、おまえがこれから生涯使うおまえのものだ」
「あらゆる特徴を、記憶に刻み込んでおくんだ。ここは、おまえが”夢”でやってくるところなんだからな」

この「カルロスの場所」はこの後も登場してきたと思いますので記録しておきます。(pending)

夕陽をみつめて瞑想めいたことをしているとドン・ファンにいきなり立たされて「足ぶみ」をさせられます。

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彼がわたしからとびのいて、強制的だが切迫した声で、わたしの立っているところで走るような足ぶみをしろ、と言った。
ひとところで足ぶみをしているうちに、暖かみがからだに浸透してくるのを感じはじめた。
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ドン・ファンは沈む太陽がカルロスを覆ったのはすばらしいまえぶれだったと言います。
そしてまた夢の進捗を尋ね、夢の中で移動をするためのテクニックを指導します。(詳細は割愛します)

この丘は、カルロスが死ぬ場所になるのだそうです。
なんべんも一人で来ているうちにこの丘のてっぺんは「おまえの最後の踊りの場所になるだろうよ」
自分の最後の踊りってなんのことか尋ねますが、ドンファンは「おまえがどこにいようと、ここで死ぬんだ」とぜんぜん話がかみ合いません。

先まで読み進むと、さきほど猛烈に足踏みをしたのはその踊りではないようです。

カルロスは、1998年4月28日、ロスで亡くなります。ロスにいても、カルロスの魂はこの丘にきて最後まで壮大な踊りをしたのでしょうか?(pending)

「おまえが死ぬときに踊るのもここ、この丘のてっぺんで、夕暮れどきだろう。そして最後の踊りのときに、自分の苦闘、勝った戦いや負けた戦い、力と出会ったときの喜びや当惑を語るだろう。その踊りは、おまえがためた秘密や驚くべきことについて語るんだ。そして死がここにすわって、おまえを見つめるのさ(旅220)」

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