2016年12月8日木曜日

環(8) 3 ラ・ゴルダ(1)

ラ・ゴルダとの話を聞いているうちに、この家で受けた数々の仕打ちに腹がたって来て家を出ると彼女が車に乗りこみついてきました。

そのとき、ラ・ゴルダが家と丘に対する別れの挨拶をします。(環133)
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両手の指を組んでへその下に当てた。そして向きを変え、谷に向かって同じ手の動作をくりかえした。(体術)
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これは子宮がある女のしぐさで、男は手を胸のところにあてるのだそうです。

ラ・ゴルダは、ドン・ファンとドン・ヘナロがどこにいったか知っていて、そこへカルロスを連れていくように言われていると告げます。(環135)

ですがカルロスは今は不完全なので、その場所を今教えるわけにはいかないと言われます。

カルロスは、はじめはメキシコシティに行くつもりでしたが、ラ・ゴルダにナワールと行っていた山に行ってほしいと言われそこに向かいます。

到着したのは以前、ドン・ファンとすごしたことのある峡谷にある洞穴でした。(環137)

「力の戦い」で過ごした洞穴でしょうか?

ラ・ゴルダによると子どもをもったことのある人間は不完全な人間で、お腹に穴があいているそうです。(環138)

お腹の左側に穴がある場合は、その穴を作った子どもは自分と同性、右側にあれば異性。左側の穴は黒で、右側の穴はこげ茶色だと言います。

「あなたの右脇にはこげ茶の穴があるわ」
「ということは、あなたをからっぽにしたのは女ね。あなたには女の子がいるでしょ。」(環139)

この「女の子」は、カスタネダのペルー時代の婚約者が生んだ子供です。(こちらのエントリーもどうぞ

ラ・ゴルダには、もともと二つの穴がありましたが、ひとつはナワールが手伝って塞いだそうです。

「ナワールが、あなたにはあなたも会ったことのない娘がいる、と言っていたわ。それであの男の子を愛しているんだって」(環141)

その婚約者の子供とカスタネダはその後、会っています。

カルロスは、男の子のことをはなしはじめます。
もちろんC.J.カスタネダのことです。

カルロスがほら穴を去ろうとすると、ラ・ゴルダは彼がここで力と会う約束があるから去れないとつげられます。
カルロスは、またまたトリックにしかけられているのかと思います。(環145)

カルロスやドン・ファンがトリックという場合、訳語が「罠」となっていることも多いようです。
ここでいうトリックは、単にだますというよりは、なんらかの呪術的な試練としての仕組まれた苦難のような意味合いで使っているようです。

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