2016年12月18日日曜日

Amy(1) 『呪術師の弟子:カルロス・カスタネダとの人生』 (概要 1/2)

ついに、あたしの「カスタネダの旅」の真打?といってもいい文献『呪術師の弟子:カルロス・カスタネダとの人生』 (Sorcerer's Apprentice: My Life with Carlos Castaneda)をご紹介する時がきました。

本編のおさらいが全部済んでからの方がいいかとも思ったのですが、後期作品群が、ご案内のように結構かったるいので、ここでキリっとAmyの方がいいかなという流れです。

さて、著者のAmy Wallace(1955年7月3日~2013年8月10日)は、米国の著名なベストセラー作家、Irving Wallaceの娘です。

ウィキペディア(米語版)によると、

Irving Wallace (1916年3月19日~1990年6月29日)は、アメリカのベストセラー作家・脚本家である。Wallaceは、緻密な調査に基づいた作風、特にセックスをテーマにした作品で知られている。
ある評論家[誰?]は、彼のことを”あらゆる三文小説の書き手の中で最も成功した人物である。というのも彼がそのジャンルを卑下することなく真剣に提唱したからである”と述べている。Wallaceは、ブルーカラーのための作品を書いたブルーカラー作家である。評論家の多くは彼の起伏のない文章と個性のない登場人物たちについて批判的である」(訳:あたし)

と、皮肉っぽい書きっぷりが気の毒ですが、とにかくベストセラー作家ですので当時のアメリカでは、誰もが知っている著名人だったようです。

Amy Wallaceは兄と妹の二人兄妹で、本人も作家として、そこそこ成功した作家でした。
「そこそこ」なのは、彼女に関するエントリーが日本語版ウィキにはないことでも知れます。

近年(2002年)にカスタネダと恋人であったことを公表し、2003年に出版された本が、この『Sorcerer's Apprentice: My Life with Carlos Castaneda』です。

カスタネダの「恋人」と書きましたが、正確にいうと「恋人集団の中のちょっとだけ特別な一人」、カスタネダの死期が迫ったころには「愛人集団の中のちょっとだけ特別な一人」となります。

今回、あたしが購入したのは、改訂版の2007年のものです。再版されてますので、あちらでは商業的には成功したと言えるのではないでしょうか?

日本では、カスタネダ自身の知名度が低いので、米国と同時に出版されていたとしても売れなかったと思います。

彼女は、2013年、心臓病で58歳の若さで亡くなられています。
本文を読むとわかりますが、若い自分にけっこう身体を酷使して薬漬けになってますしストレスも相当だったのではないかと思います。
ありし頃の姿は、例のBBCの番組映像でご覧ください。

この本は、ニューエイジのグル、カルロス・カスタネダの正体を暴いた本でもありますが、カルト宗教の体験記としても貴重なものです。

あたしたちが本当に知りたいのは「ドン・ファン」の姿や真の教えなのですが、残念ながら、それらの情報はありません。
作家として成功した後の、カスタネダと弟子たちの悲惨な物語です。

この本は、全部で47章の本文とエピローグ、そして「2007年度版に寄せて」と「付録」という構成になっています。

「2007年度版に寄せて」は重要な情報なので全訳を紹介します。
また、付録は、以下のものがあっていずれも貴重な内容なので、付録AとBも全訳を紹介する予定です。

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◎付録A 主要な登場人物紹介
(A Guide to the Cast of Major Characters)
◎付録B 彼らはいまどこに?
(Where Are They Now?)
◎付録C カルロス・カスタネダの遺言と死亡証明書
(Carlos Castaneda's Will and Death Certificate)
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1 件のコメント:

ユメオイ さんのコメント...

すごい!こんな貴重な情報を発信してくださるなんて本当に感謝!です。