2016年11月3日木曜日

メリッサ・ウォードの話(3)『ドン・カルロスの教え』(20)

そのときメリッサは知らないことだが、ナワール(カスタネダ)と彼の仲間の一大方針変更により20年ぶりに人々の前に姿を現したのだった。

という経緯で、ここ数年、少しずつ生徒を集めては毎週ダンススタジオを借りて教室を開いていたのだった。そして明らかに、彼らはドン・ファンの教えをより大きなスケールで一般に広めるべく活動を拡大していたのだった。

カルロスと魔女たちは弁護士を雇っていくつか法人を立ち上げた。
「モダンな世界に作られた企業グループの努力と過ぎ去りゆく時代の意志との間に魔術的な関係を打ち立てる」のが目的と言っている。

Toltec Artistsという会社がカルロスや魔女たち、そしてその他の関係する作家たちの著作物を取り扱うマネージング代理業を行っていた。

Toltec Artistsは、内輪のメンバーの一人、ハリウッドの有名なエージェント、Tracy Kramerが経営していた。

エイミーによるとRick FostermanがToltec Artistsがマネージメントをしていたと書いてあります。その後、同一人物が改名をしていたり人の変遷がいろいろあるようなので追って整理します。

追記:Tracy Kramerは、おそらくカスタネダ晩年の経営者と思われます。Amyの本では、カスタネダの死後、警察との対応の下りで登場しています。

Laugan Productionsという会社は、教則ビデオや他のプロダクトを販売していた。
最も重要な会社は、クリアグリーン(Cleargreen)だった。出版社であり「カルロス・カスタネダのTensegrity」というブランドでセミナーやワークショップを運営していた。

上記のLaugan Productions。例のフロリンダ・ドナー著『魔女の夢』の出版社ですね。
ところで、タイシャ・エイブラーの『呪術師の飛翔』のところで触れましたが、『飛翔』は、『夢』の7年後の発行です。にもかかわらず、クリアグリーン系ではなく大手のペンギン系の出版社から発行されたのはなぜでしょう?

tension(緊張)とintegrity(統一)から作られた用語、Tensegrityという運動は、ドン・ファンの系譜の呪術下たちが27世代にわたって密かに伝え続けカルロスや魔女たちに教えた”マジカル・パス”という動作を現代版にしたものだそうだ。

Tensegrityという用語を巡って、オリジナルのバックミンスター・フラーと揉めたという話がAmy Wallaceの本に出てきます。バックミンスター・フラーは、カスタネダとは違い一般的な超有名人ですので、ご存じない方はぜひウィキでご確認ください。

この運動をすることによりトルテックの呪術師たちは高められた意識に達することができるとカルロスは言っている。(簡略)

テンセグリティはマーシャル・アーツや瞑想、ヨガやエアロビクスのような運動で健康や活力、明晰さを得ることができるという。そして「集合点の移動(the Assemblage Point)」や「夢見」で他の世界へ旅するためのエネルギーを獲得することができるという。

呪術は孤独に極めるものとされていたが、いまやグループで修行することでより強力な結果を得ることができるとカルロスは言っていた。

カルロスは「マジカルパス」については著書ではこれまで一度も触れたことがなかった。
前ヒスパニックインディアンにはそのような伝統はないと文化人類学者たちは主張した。カルロスは、このテクニックを高額なセミナーを通じ商売することについて言及を避けていたがクリアグリーンは、ドン・ファンの教えを大衆に高額な値段で広めようとしていた。

なぜマジカルパスを広めることにしたのかはわからない。誰かがカルロスにニューエイジファンたちが心と身体にいい商品を求めていると提案しのかもしれない。

あるいはカルロスが活動しなくなってきたので魔女たちが采配を振るうようになったのかもしれない。

フロリンダとタイシャは東洋の武術に詳しいですから、あり得ますね。フロリンダは特にやり手のようです。

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