2016年11月6日日曜日

メリッサ・ウォードの話(6)『ドン・カルロスの教え』(23)

その夜から、メリッサは仲間(the inner circle)の一員となった。

いったいぜんたい、そのthe Electric Warriorというのがなんなのかさっぱりわからなかったし、誰も説明してくれなかった。

他にも似たような存在がいた ~ the Lecture Warrior, the Blue Scout, the Orange Scout, The Trackers, The Elements, the Chacmols ~ ほぼ全員が若くて魅力的な女性だった。

自分の父親ほどの男からこれほど気にかけられているのは少し気味が悪かったが、誰も彼女に触らないし、不適切なこともまったくなかった ~ ただカルロスが彼女にこぶしの握り方を教えたがるのが変だった。

実際のところ、仲間に入って楽しかった。
メリッサは長年友達がいなかったし、仲間といると抱えている問題を忘れていられ、大きな慰めになった。

メンバーはみな賢く教養があった。流行に敏感だし、おしゃれで気が利いていた、冗談好きでドアに水が入ったバケツをしかけたり幼稚ないたずらも大好きだった。お互いの家や素敵なレストランででディナー・パーティを開いた。トニー・ロマのスペア・リブも好きだった。メリッサはベジタリアンだったが、10ポンドも太ってしまった。

ある時は、Tracy Kramer(エージェント)の素敵な家でカルロスがデザートのゼリーを作った。彼はダツラが材料だと言った。彼はこれで飛ぶことができると言ったが、メリッサには何も起きなかった。

The Sorcery Theater とか the Theater of Infinityと呼ばれる馬鹿げた催しもよく行われた。

Bruce Wagnerが脚本を書いた寸劇は楽しかった。
小道具や衣装に凝ったつくりでカルロスの教義をテーマにしているがパロディだった。

お気に入りのひとつは、ジプシーの占い師がメンバーである観客の一人を選んでそお人のことを面白おかしくいじるネタだった。他にはthe Chacmolsが裸で手に鋭いナイフを持ってマーシャルアーツのような動きをするものや、6フィートの張り型を使った劇があった。

劇の中にはメリッサとthe Lecture Warriorをネタにしたものもあった。これはJesus Christ Superstarの“I Don’t Know How to Love Him”をミュージカル版にしたものだった。

その内に、魔女たち ~ 彼女たちはみな超ショートヘアでデザイナーブランドを着ていた ~ は、メリッサを受け入れるようになってきていた。
一緒に映画に行ったり、Pandra邸から歩いて行けるショッピングモール、Century City Mallに買い物にでかけた。


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