2016年9月3日土曜日

分離 訳者あとがき

訳者の真崎義博氏のあとがき,も、日本語版発行時の情報や独自の解釈などが載っていますのでエントリーとして立てておきます。

あとがきの冒頭に、カスタネダは最近(発行時)サム・キーンとの対話で「世界を止めることによってパラダイムシフトがはじまる」のようなことを言っていると書いてあります。

出展は、中山善之訳『人間・この未知なるもの』とあり、もちろん著者はサム・キーンでしょう。
アマゾンで検索してみましたが、このタイトルでは見つかりませんでした。

原著の方は、おそらくこちらかと。
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Voices and visions Hardcover – 1974
by Sam Keen  (Author)
Hardcover: 218 pages
Publisher: Harper & Row; 1st edition (1974)
Language: English
ISBN-10: 0060642602
ISBN-13: 978-0060642600
Product Dimensions: 8.2 x 5.6 x 1 inches
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どうみても日本語タイトルと一致しませんが、直訳タイトルを作ってみますと

「発言とヴィジョン ~サム・キーン対談集」

表紙のグラフィックには確かに、対談相手の一人がカルロス・カスタネダとあります。

現在、この本は英語版も絶版のようでamazon.comでもマーケット・プレイスでしか手に入りません。

元の対談は、「Psychology Today」という米国で発行されている雑誌でのインタビューです。
こちらはたしかエイミー・ウォレスの本でも言及があります。(あたしのブログでは割愛しました)

幸いにも、あるサイトに「Seeing Castaneda, by Sam Keen」というタイトルで対談のテキストが転載されていましたので、一応リンクを設けておきます。元のインタビュー記事そのものとの整合性については現時点では調査できないのでそのまま掲載されていると信じることにします。
内容は、未読です。(pending)

有名な「タイム」のインタビューでもカルロスは経歴については口からでまかせを言っているようですのでキーン氏との対談もそのあたり前提で読もうと思います。

真崎氏のあとがきでは、そのタイム誌に掲載されたインタビューも紹介していますので、その部分だけ”ママ”で引用させていただきます。

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タイムのインタビュー「ドン・ファンと呪術師の弟子」("Time" March 5,1973)
ドン・ファンは1891年生まれ、両親は1890年代から1910年にかけたの戦いで殺された。彼はあちこち放浪した。彼の呪術がいくつかの文化のシャーマニスティックな信仰の組み合わせであることもこれと一致する。それらのいくつかはヤキ・インディアンを代表するものではない。ヤキ・インディアンはペヨーテを使わない。

カスタネダは1935年にサンパウロで生まれたと言っている。(アメリカへの移民登録では1925年ペルー生まれになっている)その時父は17歳、母は15歳で若かったので母方の祖父母の所へ6歳まで預けられた。母は彼が六歳の時に病死(記録によれば二十四歳の時)した。アメリカへ渡ったのは1951年(記録と一致)である。1955年から59年にかけてUCLAで社会心理学を学び、後人類学へ。
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Amy Wallaceの本ではカルロスの母親は25歳の時に亡くなったとありますが、これはどうやら24歳が正解のようです。(pending)

●オマケ
あたしは、二見書房の1998年8月25日21版の『分離したリアリティ』をテキストとして利用していますが、カバーに印刷されている初版がなんと1949年10月22日発行と書いてありました。実際には1974年10月発行ですね。

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