□本の概要
カスタネダがこざっぱりした「序文」を寄せてます。
オープニングでフロリンダ・ドナーがナグワル(ドン・ファン)と出会い、ナグワルにメキシコに連れていかれフロリンダ・マトゥスに紹介されたとあります。
フロリンダの勧めでフロリンダは―ややこしい―生まれ故郷のベネズエラへ自分探しにでかけます。
フロリンダ・マトゥスは、カスタネダの『イーグルの贈り物』でいきなり登場します。
追記)エイミー・ウォレスの本では、カルロスが彼女に告げた名前は「ビッグ・フロリンダ」として言及されています。
追記訂正)フロリンダ・マトゥスが『呪術師の飛翔』に登場するクララであるという説明はあたしの早とちりによる間違いでした。フロリンダ・マトゥス=ビッグ・フロリンダであるという点は合っています。(2016/9/25)
本書の主人公のフロリンダ・ドナーは、人類学者志望で、現地の魔女(治療師)メルセデス・ペラルタの元に「出向受け入れ弟子」として暮らすことになります。
本の構成は、メルセデス・ペラルタが治療する患者たちの人生がひとつひとつ完結したエピソードになっていて、ひとつのお話が終わるごとにペラルタによる解題と指導があるといったスタイルです。
カスタネダの本でいうと彼の最後の著書『無限の本質』に構成が非常に似通っています。そっくりです。
追記・訂正)すいません。『無限の本質』の出版社は、カスタネダがSIMON & SCHUSTERと袂を分かったあとの出版でした。ちなみに発行は、Laugan Productions。さくっと調べたところクリアグリーン系の出版社(カスタネダのグループ会社)です。疑いすぎかもしれませんが、邪推の続きをタイシャ・エイブラーの『呪術師の飛翔』のところでやらせてください。
カルロスの本の(手伝いの)ライターの存在については、エイミー・ウォレスの本で明らかにされています。
本のファクトを列挙しておきます。
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原著の『The Witch's Dream』(SIMON & SCHUSTER)は、1985年の出版。
日本語版は、『魔女の夢』~運命を超えて生きる力~(日本教文社)
初版発行 昭和62年(1987年)4月20日
フロリンダ・ドナー著/近藤純夫訳
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今では絶版なので今回、あたしは古書を手に入れました。
□日本教文社
余談ですが、本の後ろの自社出版物の宣伝ページをみると生長の家の創設者、谷口雅春の本を出していたので調べたところ同会とつきあいの長い出版社なんですね。
この『魔女の夢』は、生長の家とはまったく関係がないのでスピリチュアル系の本を好んで出しているようです。
ただ両者は今年(2016年)まで印税をめぐる係争があって、今はその関係は冷えてしまっているのかもしれません。
(続く)
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