2016年8月11日木曜日

エリジオの入門(分離4 ひとりひとりの道(3))

カルロスはドン・ファン訪問中にドン・ファンの孫のルシオとその友人たちのベニニョとエリジオから狩りに誘われます。(1969年9月6日、分離89)

若者たちは、ドン・ファンは、「焼きの回った」呪術師だと言います。

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「・・(ドン・ファンは)年寄りで小心で、自分のやってることがわからないんだ」
でも以前は本当の呪術師だったんだぜ」ベニニョがつけ加えた。「本当だぜ、オレの所の連中が彼は最高だったと言ってるからな。だがペヨーテ癖がついて誰でもなくなっちまったのさ。もう年を取りすぎてるよ」
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以前は本当の呪術師だったんだぜ」の部分ですが、以前、ドンファンが「今日、わしはもう戦士でもディアブレロでもない。(教え220)」と言っていたこととある程度整合性がとれますが、その後のシリーズを読んでいる限り、ドン・ファンは最後まで”戦士”を貫いたように思えます。
なぜ、ドン・ファンはもう自分は戦士ではないと言ったのでしょうか?(追記その説明?

若者たちの狩りの打ち上げにドン・ファンがひょこっと現れます。(分離92)

この集まり(狩りの後の打ち上げ)に呼ばれちゃいなかったが、カルロスがヘルモシロへ発っちまったかどうかききにちょっと寄っただけだ
カルロスは、ここで翌日立つつもりだと答えているので、予定通りなら9月7日にヘルモシロに向かいます。
今回はテキーラを買い求めるためにヘルモシロによってからドン・ファンを訪ねて、またヘルモシロに旅発つという経路です。どこへ行くところだったのでしょう?不思議な足取りです。

皆が小ばかにするペヨーテの文化にひとり興味を示したエリジオは、ついに体験をすることになります。1968年9月15日(日曜)の日誌(分離93)に土曜の晩9時とあるので、エリジオの儀式は、9月14日から翌朝の夜明けまで行われたことになります。

出席者は、ドン・ファン、カルロス、ベニニョ、ルシオそしてエリジオ。
メスカリトをまったく信じていないベニニョとルシオも付き合っているのが面白いところだと思います。

本当は孫のルシオに呪術師の伝統をついでほしかったのに、代わりにエリジオと出合ったドン・ファンは複雑な気持ちです。

呪術師ができることについてドン・ファンが次のように言います。

わしらはまず、わしらの行いは何の役にも立たんがそれでもそんなことは知らんというふうに続けにゃならんことを知るべきなんだ。それが呪術師の管理された愚かさ(controlled folly)なのさ(分離99)」

「管理された愚かさ」とは?いったいどういうことなのでしょうか?

わかっちゃいるけどやめられない・・・かな?

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