2016年7月3日日曜日

教え~序文(1/2)~

Salem GL depot1965.jpg

○1960年、カルロスがUCLAの学生だった時、アリゾナのとある町の長距離バス(グレイハウンド)の停留所で知り合いが教えてくれたおかげでドン・ファンにはじめて出会います。

右の写真は、Wikipediaの引用です。1965年秋頃のオレゴン州セイラムのターミナル。
まさに彼らが出会った当時の風景ですね。


山んばと空とぶ白い馬」のトピックでも触れましたが、その魔力?を恐れられる「呪術師(ディアブレロ)」が普通にバス停で一般人と混じって待っている状況が面白く、妙なリアリティが感じられます。

シリーズ各所で描かれているカルロスが車に乗せてドン・ファンといろいろ移動するシーンも機械文明と古代の呪術のアンバランス感が奇妙です。

はるか10年もの後に明らかになりますが、この出会いの瞬間からカルロスは蜘蛛にからめとられた餌食のように呪師の世界の罠にはめられてしまいます。
好奇心ってコワイ。
追記:シリーズ後半は(私見ですが)創作ですので、ドン・ファンが始めから狙っていたというのは作り話です。

○カルロスは、インディアンが儀式に使用する幻覚性植物について知りたくて彼のもとに通い詰めましたが、カルロスが信用されるまで1年かかりました。
(すなわち1961年6月)

実は、ハナからはめられていたわけですので1年間、焦らされたともいえましょう。
追記:同上

6月23日が最初のセッションだそうで。
”セッション”という言い方はいかにもアメリカ人が「レッスン」や「カウンセリング」のことをいいそうな感じでこれまた西洋文化と土着の文化のチグハグ感がいい味出してます。

○ドン・ファンは、1891年、メキシコ南西部生まれ。
1900年にメキシコ政府により中央メキシコに移住、1940年まで暮らします。

ドン・ファンの両親の話や、スペイン人の侵略との関係も後に少しずつあきらかになっていきます。

○カルロスは、1965年9月、もう続けられないと判断し弟子をやめることにしました。

この一巻目『ドン・ファンの教え』の段階では辞めたと思っていたわけです。
結果としては、カルロスは死ぬまでドン・ファンの弟子であり続けることになります。

途中、女呪術師たちに殺されそうになったり、人前で大便漏らしたりの数えきれないほどの間尺に合わないひどい目にあわされますが、カルロスは偉いです。

たぶん相撲修行にも耐えられるでしょう。

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