2013年1月3日木曜日

かまこあぶり(承前)

そんな車いす散歩をしていますと、近所にホームが多い地区のせいか地域の人たちが挨拶をしてくれます。
大人もそうですが小学生までが知らないあたしたちに会釈や挨拶の言葉をかけてくれるのです。下町だからかもしれませんが東京も捨てたものじゃないなと思います。

椅子にゆられて母がぽつりと。
「いろんな人に会いたいなと思うけど。本当に会いたいのは、”とうちゃん”と”かあちゃん”だよ」

一瞬、脳みそ逝ったか?と耳を疑いましたが、

「・・・もう生きちゃあいないけど、あいたいなってね」

両親が健在の頃はあんなに憎まれ口を利いていたのに。
94にもなってもやはり親が恋しいのか。

母は秋田出身で、若い頃、秋田の生活のことをよく話してくれました。「鍛冶屋」だったと言っていました。
寒い日は、朝起きると。「火鉢」の火を家の人が起こしておいてくれているので火鉢に抱きついてあたたまりながら着替えをしたそうです。
火鉢やストーブに抱きついてあたたまることを「かまこあぶり」というのだそうです。

実際には子供の頃からほとんどが東京暮らしの母ですが、東京の生活でもあたしが子供のころ、冬の朝は「かまこあぶり」をしよう!とストーブで暖めてくれました。

※補足
この「かまこあぶり」については以前、別のブログシステムで簡単な記事を書いたことがあります。
この言葉がネット上に他にあるのだろうか?と試しに検索してみるとゼロでした。
記事アップ後、Googleの検索がどう扱うのか興味もあってたびたび検索すると数日であたしのポストがひっかかるようになりましたが、後にも先にもこの一件だけでした。
この用語は母の造語だったのか?本当に秋田に伝わる一般用語なのか?今でも謎です。

追記2017年5月25日この母も今年亡くなりました

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