2017年3月8日水曜日

Amy(74) 42 彼が去った(3/3)

その後、Mjniと私は鎮静剤を必要としていた。
Muniは頭が変になりかけていた。

その週、ロス警察がDeath ValleyでClaudeの車を発見した。車の中の書類でクリアグリーンのSimonの事務所が割り出された。噂はすぐに広まった。
SimonはClaudeを探しにDeath Valleyに行ったが空手で戻った。

何週間か経ってからMuniから聞いた話はこうだ。

ClaudeはDeath ValleyのモーテルにいてMuniに電話をよこした。Muniが駆け付けると、自殺をしようとしたScout(Claude)が血だらけで部屋にいた。Muniの足にしがみついて「無駄だった。すべて間違いだった」って言ったそうだ。
私(Muni)は山ほどお金をもっていったの。山ほど。それでアイルランドに行って印刷業を始めればいいじゃないといったわ。そこで新しい人生をこのお金でスタートすればって

この話が本当かどうかはわからない。ただMuniの冷たさはDSMIII(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders、精神障害の評価基準だそうです)の類だと思った。はたまた単にもともと嫌いあっていた仲だからかもしれない。

Claudeは、突然アパートからいなくなった。Ridley、Simon、Muniをおいて。
いろいろなものをみんなに分配していった。

おそらくMuniが嘘をついていると思うが、Claudeは私にもアンティーク時計を置いて行ったという。わたしも喜んでいるふりをした。

これに続いて、Guidoを慰めるエピソード、みんなの性的関係について。
Muniの新しい若い恋人に嫉妬するGuido。
CarlosにFlorindaとスリーサムを誘われたが断った話、などなどありますが割愛します。性関係への言及がとにかく多いですね。

カルロスの最期の日々に、フロリンダがイナーサークルのメンバーに”ベスト・オブ・カスタネーダ”という彼の語録を集めさせた。この本が死後発行され、私の一番気に入っている言葉が引用されていた。(これは『時の輪』のことかも?)

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自己否定は耽溺である。否定することに耽溺することは最悪のことだ。まるで自分たちが偉大なことをしているような気にさせるからだ。そんなことをしても私たちが私たちの中にとどまっているだけなのに
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私は、彼は彼を恐れる信者たちに君臨する暴君として死んでいったが、この言葉で彼が真正の探究者であり本当の哲学者であると信じる。

病気が彼の力を奪っていってしまった。しかし、なにものも彼の初期の作品の真摯さと美しさを損なうことはないと信じる。

あたしも彼女と同感です

最初のころ、Muniがカルロスの読者は私たち、カルロスのそばにいる人間よりも幸せだといっていた意味がようやくわかった。

「従者に英雄なし」ってやつです。
あたしも勤め先が好きでしたが、入る前の方がもっともっと大好きでした。

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