2017年3月13日月曜日

Amy(79) エピローグ(2/3)

このエピローグでは、フロリンダが愛人だったフェデリコ・フェリーニ(Federico Fellini)のインタビューの紹介があります。
このインタビューは、Toni Marianiプロデュース、A.F. BiermanがBright Lights Film Journal用に翻訳したものだとあります。

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はじめ彼の出版社をつうじてカルロスを紹介してもらおうと思った。
出版社はカルロスのエージェントの住所を教えてくれた。ニューヨークにいるNed Brownだ。Brownならカルロスの住所を知っているだろうとのことだった。
年に一度、メキシコ人の少年が原稿を届けに来るのだそうだ。Ned Brownは一度もカスタネダにあったことがないのだそうだ。
それでもあきらめなかった。カスタネダは、精神を病んで保護施設に収容されているとも、死亡したとも教えられた。他の人間は彼に会ったと言った。彼の講演会に出席したが元気だったと。そしてローマでMrs. Ioghiに会った。彼女がようやくつないでくれてカスタネダに会えた。

カスタネダの人柄は、みなさんが思われているものときわめて違っている。彼はシチリア人のようだ――人懐っこくて、のんきで、ニコニコしているシチリア人のようだ。肌は褐色で黒い目、笑うと白い歯がきれいだ。
ラテン、地中海の香りがする。彼はメキシコ人ではなくペルー人だ。

この好ましい人物は私の映画は全部観ている。ドン・ファンと一緒に30年か40年前に私の『道』(La Strada)を見たといっていた。1952年の作品だ。ドン・ファンが彼に言ったそうだ。
「おまえはこの映画監督に会うべきだ」ドン・ファンが私たちの出会いを予言していたのだと彼は言っていた。
彼は、私に会いに来て、そう、そこだ、そこに座っていたんだよ。

私を特に魅了したことだが――イタリア人、地中海育ち、カトリックの教育を受けた私が――カスタネダとドン・ファンの世界に対する見方だ。なにか非人間的なものがそこにある。特にドン・ファンだ、同じ年寄りとして文字通り魅力的に思った。
まるでクォーツで動かされている世界を観ている気がする。はたまた緑色のトカゲだ!」
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フェリーニは続ける。
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ドン・ファンの世界には慰めというものがない。ほかのどのような書物にもない・・・・それが恐ろしくもあり、また私を魅了するのだ。だが、その世界の中はとても息苦しい・・・・おそらく狂気がこのような、アストラル、氷のような、沈黙の世界を想起させているからなのだ。
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私がフェリーニから聞いている二人のの出会いの印象は(上記のインタビュー内容とは)まったく異なる。

出来事と不可思議なことがいきなり起こった。彼が僕のホテルに来た時、女の人たちをつれてきた。その後、二度と会わなかったけど、その後、部屋の中で不思議なメッセージをみつけた、それといろんなものの場所が変わっていたんだ。あれは黒魔術だよ。
彼が連れてきた女性たちと、カスタネダは一緒じゃない、一緒にTulin(トリノ)にでかけたんだが同じことが起きたんだ。

あれは1986年のことだった。あれから何年も経つがいまだに何がおきたのかわからない。カスタネダはもしかすると私が映画を作ることに賛同していなかったのであのような現象を起こして気持ちをくじいいたのかもしれない。あるいは彼の仲間たちが映画製作に乗りきでなかったのでやったのかもしれない。
とにかく不思議だった。結局、映画はあきらめたよ

私がなにに驚いたか?

結局わかったのはカルロスは誰もが彼のことを大の嘘つきだって言っていたことだ。たとえば、Douglas Price Williams、彼の大学のフェロー教授が言っていた。

UCLA時代、カルロスが”今日はよく晴れてますね”って言ったので外を見にいったら雨降りだったんだ。ま、それくらい大ウソつきだってことだ

とはいえ、私はカルロスとフロリンダ、フェリーニとの付き合いの話では驚かされた。

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