あの時、カルロスが見抜けないとわかっていれば、常用の薬についてはウソをつけばよかった。
後でわかったが、他の参加者たちだってみな昔は薬を使っていたのだ。
だが、当時はカルロスを100%信じないのかと言われ責められウソをつくなんて思いもしなかった。
私はついに開き直って、メンバーと口をきくのをやめたし、ドレスアップも完璧にした。
ついにフロリンダが私にも挨拶をするようになった。
カルロスから連絡があって、ついに私が嫉妬の心を克服したといってくれて舞い上がった。
1994年にロスに引っ越した。
カルロスとの仲は復活し、ふたたび愛し合うようになった。
彼は私だけが恋人だと言ってくれた。
ClaudeがDorothyの新しい呪術名を教えてくれた。
Beulah Puckett。
当時、Candiceという9歳のメキシコ人のおんなのこがメンバーにいた。
Beulahは、Candiceを自分の娘だと言っていた。
ある日、カルロスが涙を浮かべてCandiceがメキシコの祖父母のもとに戻ることになったと発表した。
ところが翌日、Candiceがみなの前にあらわれ小さな声で「自由」(要するにカルロスたちと残るということ)を選ぶことにした。みんなに心配をかけてすいませんでしたという挨拶をした。
それは、まるで大人が作った原稿を読んでいるような感じだった。
日本でも家族がカルトから家族を取り戻そうとする事件がありますよね。
このケースは、家族の力が及ばなかったということです。
ワークショップの最終日、Beverly Hills のレストランで打ち上げがあった。
Florindaはスペイン語が必要なメンバーがいるテーブルに。
カルロスのテーブル。Muniのテーブル。Claudeのテーブル。
自分の名前の席がないのでうろうろしていると、カルロスにClaudeのテーブルにあるEllisという名前のところに案内された。
テーブルのみんなが私を見ていた。
Calude、Muni、Guido、Zuna、BeulahそしてCandice。
感動した。
Claudeが選んでくれた名前だった。仲間に入ることを望んではいたが、新しい名前をつけることによって自分のアイデンティティが消滅することを恐れる気持ちが生じた。
だが、めでたい席だしということで不安な気持ちを押しやった。
食事のあと、あの冷たいTarinaからも抱きしめられた。
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