カルロスは首をヘアバンドで締められますが、苦しくなってきたら首のちょうど気管のうしろあたりでぽきっという音がしました。
この「ポキっ」が、カルロスのダブル(分身)を生み出すスイッチみたいな感じでして、この後、カルロスは、自分が天井の上から見下ろしていることに気がつきます。
幽体離脱ですね。(環71)
カルロスは、怒りにまかせ、自分の幻影のような姿のこぶしでドニャ・ソルダード額を殴ってしまいます。
カルロスの恐ろしい攻撃におびえたドニャ・ソルダードは、戦意喪失してまた語り始めます。
パブリトとエンストールとベニニョはカルロスと目の方角が同じだそうです。
今日、カルロスを攻撃したのは、ナワールに誘惑しろと言われていたからだと告白します。
「ナワールがおまえさんは女が好きだから」って教わった。(環76)
(The Nagual told me that you like women.)
Amy Wallaceの本を読んだあとでは、まったくその通りだと言わざるをえません。
というか、よく自分で自分のことをぬけぬけと書けますよね(笑)。
B.B.Kingの自伝で彼が友人からセックス中毒じゃないかと言われたって下りがありますが、カスタネダも負けてないと思います。
なってたってセックスするのに飽きちゃうくらいですから。
さて、ここで登場したカルロスの分身ですが、翻訳版の本文では、「二倍の分身」となっています。
呪術師の分身については、これまでの巻で、ドン・ヘナロの「ダブル」または「分身」という表現が使われてきていますので、今回、「二倍の」とつけたからにはそりゃ「でかい」か「強い」か「凄い」のだろう。
特に、この本では分身の力によってカルロスが魔女たちを退治するだけに。普通の(って言い方もへんだけど)分身より強力な分身Zみたいなものなのかと思いますよね。
でも一応、原文をチェックしたんですよ。すると「double」だったんです。これまでも分身はずっとdoubleだったので、今回のダブルは特別なものではなく翻訳するなら「ダブル」または「分身」という表現にすべきだったのだと思います。
ダブルには、二倍のという意味もありますが、それ単体で「分身」という意味ですので「二倍の分身」ですとダブル・ダブルです。
ドニャ・ソルダードは、この戦いに勝ったらカルロスは(新しい)ナワールになる、と言います。(環80)
そうこうするうちに、妹たちが帰ってきました。
0 件のコメント:
コメントを投稿