2016年12月12日月曜日

環(12) 5 夢見の技術

ラ・ゴルダがカルロスに「忍び寄りの術」について説明をしてくれます。(環254)

ラ・ゴルダは、夢見の人。カルロスの分身(二倍の分身)は夢見なのだそうです。
ドニャ・ソルダードと死んだ娘の関係、ホセフィーナと彼女の母親の関係を例にとり力の話をします。(環273)

続いて、注意力についての説明。(環279)そして、その男女の違いについて、ラ・ゴルダの解説が続きます。

そこに、三人の妹たちが加わり、カルロスに盟友を呼ぶようにラ・ゴルダがいい(環292)、口笛で盟友を帰らせます。

妹たちが部屋の中で、壁に垂直になった状態で滑ったり気味の悪い芸当を見せてくれます。そしてカルロスは、いつのまにか、家の中にいると思っていたのに丘の上にいたことに気づきます。

ラ・ゴルダは、わたしたちが盟友に投げとばされたのだと言います。(環304)

そこで、カルロスは妹たちの芸当を実際に「見ていた」ことを思い出しました。(環306)

これらの体験からカルロスが理解した内容を引用します。
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ドン・ファンは、わたしたちの存在の核となっているのは知覚の技術であり、わたしたちの存在の魔力は認識の技術だ、と言っていた。知覚と認識はひとつの、機能的な、分離しえない単位、ふたつの領域をもったひとつの単位になっていたのだ。第一の領域は「トナールの注意力」だ。言い換えると、日々の生活を送る日常的な世界で知覚し、認識するふつうの人々の能力だ。ドン・ファンは、この注意力の形式を「力の第一の環」と呼んでいた。そしてそれを、日常的な世界での近くに秩序を与える畏るべき、しかしあたりまえの能力だ、と言っていた。
第二の領域は「ナワールの注意力」だ。それは非日常的な世界で認識する呪術の能力を言う。彼は注意力のこの領域を「力の第二の環」と呼んだ。あるいは、非日常的な世界に秩序を与える驚くべき能力、とも言った。その能力は、わたしたちだれもが備えているのだが、呪術師しか使わないのだ。(環309)
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なんだかんだといちゃもんをつけていますが、ドン・ファンの知覚に関する知見は、ドン・ファンオリジナルのものなので上記の認識は非常に重要です。

夢見をするためにはエネルギーが必要なのだそうです。(環310)

エネルギーを得る最良の方法は、目に、とくに左目に陽の光を入れることだ、とドン・ファンが言っていました。
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半分閉じた左目に陽の光を入れて、ゆっくりと頭を左右に動かすのだ。使えるのは太陽だけでなく輝く光ならどんなものでもいいということだった。(体術)(環310)
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ラ・ゴルダが出発するころだと言いました。

場面転換がないためでしょうか、どこにいても、いつでも、ずっと出発すると言い続けているような気がします。

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