2016年12月10日土曜日

環(10) 4 ヘナロの弟子たち(1)

家に戻ると、妹たちはソルダードの回復を手伝って不在でした。
その家に、ヘナロの弟子たちがこれからくるそうです。

これまでパブリートが家のリーダ格でしたが、とにかく人望がありません。
ラ・ゴルダは、彼女を迎えに来た(?)リディアと一緒に出て行いきましたが、昼過ぎにもどってきました。

それにしても、右往左往しているだけで、何も事態が進まないのがこの本です。

さて、そこへパブリートが来て、いきなりカルロスをマエストロと呼びます。

彼は、ラ・ゴルダと険悪な関係だとカルロスにうったえます。

カルロスが知りたかったあの深淵に飛び込んだときのことを聞きますが判然としません。
パブリトは、目が覚めたら昔のヘナロの家にいたそうです。(環204)

そして、女たちに家を追い出されて、三人(ネストールとベニニョ)で一緒にヘナロの家で暮らしているのだそうです。
これからヘナロの家に行こうと誘われますが、ラ・ゴルダにとめられます。(環208~9)

ナワールは彼らのことをトルテックと呼んでいたそうです。
トルテックとは、謎を受け取る者という意味だそうです。ドン・ファンが、彼らを呪術師とか魔女というかわりにトルテックと呼んでいたことは、カルロスは知りませんでした。

パブリトはラ・ゴルダたちを本当は嫌いなんかじゃないともいいます。
パブリートの母は、かつては美しくマヌエリータと呼ばれていたそうですが、ドン・ヘナロとナワールに出会って、マヌエリータは「殺され」、魔女ソルダードになったのだといいます。

パブリトは、自身のヘナロ、ナワールたちとの出会いについての話します。

彼の親方が病気になってかわりに町へ行って恋人ができ、店で彼女とセックスができるように細工をしたところ店が揺れているのをヘナロたちに見つかってしまったというような話をします。(環217)

そこからじわじわと二人のワナにはまって呪術師の世界に陥っていく過程ですが、恋人との普通はあり得ない状況でのセックスが呪術への入り口というシナリオは、タイシャ・エイブラーのエピソードと非常に似通っています。

パブリトは、屋台の下に隠れてのセックス。タイシャもお店の厨房でのセックス。
いずれもカスタネダの好きな性的嗜好または幻想なのだと思います。

そこに到着したネストールとベニニョが話に加わります。
ネストールは、以前と比べ精悍になっています。
ベニニョはなにやら様子が変です。
そしてラ・ゴルダまでもがカルロスを「ナワール」だと言い出しました。

男性陣は、四人の女姉妹たちの悪口をいい募ります。

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