2016年9月6日火曜日

旅2 履歴を消す

1960年12月22日の訪問は、履歴を消すためのやりとりをします。

実は、あたしは、このブログでドン・ファンシリーズのおさらいをしながら平行して日付や事件を記して年表を作成しています。
すでにいろいろな方がやられていて珍しくもないと思いますが、自分の確認作業としてはとても有効です。

また、今回日本で発売されていないAmy Wallaceやマーガレット・カスタネダの著書も手に入れたので事実(虚構も含め)関係の並べ直しができて新たな発見があり楽しんでいます。
この年表はいずれこのサイトで公開する予定です。(飽きなければ)

履歴を嫌うカルロスたちの履歴を埋めなおしているわけですな。

「履歴をもたないという考え方は、ヤキ・インディアンがみんなしていることなの?」
「わしがしとることだ」
「どこでそれを学んだ?」
「わしの人生でだ」
「父親が教えてくれたの?」
「ちがう。わしは自分ひとりで学んだんだ」(旅34)

ここでもデミルの指摘を打ち消すかのようにヤキの文化とドン・ファンの作法が異なることを念押ししています。

「少しずつわしとわしの人生のまわりを霧でつつんでいるんだ」
「誰もわしの履歴を知らん。誰もわしが何者で何をしているか知らん。わし自身でもな」(旅35)

「でもそれはウソをつくことになるよ」
「わしは嘘とか本当とかのことを言っとるんじゃない」彼は厳しい口調でこう言った。
「履歴をもっているときだけ、嘘が嘘になるんだ」
わたしは、わざと人を煙にまいたり欺くのは好きではないと言い返した。

(だが、)ドン・ファンはカルロスが人を欺いているといった。
なぜ、彼は自分がいつも人を煙にまいていたことを、なぜ知っているのかいぶかった。
(旅37)

つまりカルロスが自分の経歴に関してウソをついていることは履歴を消すこととは違うということなのでしょうか?
ドン・ファン自身はどうやってウソをつかずに履歴を消したのでしょうか?少しずつ霧で包むとは?・・・・ウソは言わずにのらりくらりとはぐらかすのかな?

履歴消しのやりとりに疲れたのでドン・ファンを乗せて車で町へいく途中。ドンファンにリラックスしたいなら道路の横の小さな丘のてっぺんに登って、頭を東に向けてうつぶせになるといい、と言われます。(旅39)(体術)

カルロスの場合、いつも南東なのに、今回は東です。

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