2016年9月1日木曜日

分離16 音の洪水

1969年12月15日の夕方また谷に向かいました。

丘の頂上に着いたら正しい方角を決めにゃならん
谷に降りてから丘に登るのでしょうか?
カルロスの方角は南東です。

それからやおら丘についたらおこなう動作の説明が始まります。
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まず手のひらを下にし、親指を手のひらにつける以外、他の指は扇のように広げて腕を前にのばさねばならない。次に頭を北に向け、手も北に向けて腕を胸にあてる。それから左足を右足の後ろにあて、左のつま先で地面をたたいて踊るのである。そして温かみが左足からやって来るような感じがしたら腕をゆっくり北から南へ、そして北へ動かさねばならない。(体術)
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腕を動かしているときに手のひらに温かみを感じる所が坐るべき場所だ。

とか、この後もものすごく細々とした注意が続きますが、割愛します。
本文ではなんども復唱して覚えたとありますが、はたして覚えれられるものでしょうか?
ドン・ファンがおこした焚火を見つめているとカルロスの目の前を蛾のような影が横切りました。

するとドン・ファンが慌てたように撤収をはじめ家に帰ります。
カルロスがみた影は精霊の一種だそうです。

精霊にはは三種類あるそうです。

1)何も与えてくれないもの
2)恐怖の元にしかならんもの
3)贈物をくれるやつ

2番目のものはおとなしいやつのまわりをうろついている悪意の精霊で、今回はそいつがいたので急いで帰ったそうです。
そして三番目の精霊が本当の盟友で秘密を教えてくれます。
その精霊との出会い方をこまごまと教えてくれます。その中に、「打ち勝ちかた」についての言及があります。
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精霊と争った場合、地面にねじふせてそいつが力をくれるまでそのままがんばるんだ
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まるで精霊が人間のような言い方なのでカルロスは、精霊には実体があるのか?と尋ねます。
争うとき最初は固いがだんだんぐにゃぐにゃになるとドン・ファンは答えます。

1969年12月17日、今度はひとりでスピリットキャッチャーを手に入れるためまた谷に向かいました。

焚火をしてうっかり眠り込んだら大きな破裂音で目がさめ、いろいろな音に悩まされます。枝を踏みつけるような音。動物が水をのむときのような音。鳥の羽ばたくような音。
はじめドン・ファンのトリックだと思いましたが、ありえないとわかったとたんに恐怖でパニックになりペヨーテソングをうたって夜明けまで耐えしのびます。

気づくとドン・ファンが来ていて手当て川で体を洗ってくれます。
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かわいい友よ(マイリトルフレンド)、お前は何もしらんのだ。何もな。

ひと晩で戦士になるなんてことは誰にもできやせん。元気になって(自分の)裂け目が閉じるまで戻ってくるんじゃないぞ。
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結局、スピリットキャッチャーはどうなったのでしょうか?
ま、タスクに落とし前がつかないのはカスタネダの常ですな。

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