2016年8月28日日曜日

分離13 盟友の顔そして死とは(1)

1969年9月3日、カルロスは「見る」試みをするためまた煙を吸います。

でもさ、8月9日に水の精にワナにかけられてから3、4カ月は戻って来るなって言われたのに?たった一カ月で「自分を投げ出さないよう」コントロールできるようになったのでしょうか?

吸ってから歩いて丘に登ります。ドン・ファンがカルロスの頭を左右に動かしたら突然、目の前に耕された畑が見えました。(分離230)

畑の中にメキシコの農民のような質素な男がいて男は背を向けていましたが、もし向かってくるような守ために頭をまわしてやると言われます。
こちらを向いたので「来るぞ!」といって頭をまわしてもらい助けてもらいます。

ドンファンに見つめずに『軽く』眺める程度にしてものを調べろと言われます。(分離232)(体術)また、焦点を合わせない技法です。

再び頭を回されて畑を見るとまたあの男がいましたが、歩き始めて視界から消え、目が覚めると翌日の1969年9月4日までドン・ファンの家に寝かされていました。

放心状態で気が付くと自分の周りに大量のすりつぶした葉がありそこに胃をおしつけるようにうつぶせに寝かされています。(体術)

起きてドンファンを探しに。用水路のところにいるのを見つけますが、走って逃げろ!と言われ驚いているとドン・ファン曰く「カルロスを連れ戻すのが大変で水をとりなしたのだ」と言います。

畑の風景で見えた男の件と水の精とどういう関係なのでしょうか?
カルロスを「連れて行った」のが畑の男のようなのになぜ水の精をとりなすのでしょう?
しかもいきなり「いちかばちかの賭をやるぞ。水のなかでお前を洗うんだ

なんだ?なんだ?

ドン・ファンに手を引かれ水のところに着くまで目を閉じていろ。一瞬でも水を見たら死ぬかもしれないぞ」と言われます。

またやけにいきなりカジュアルな死を賭した儀式です。怖すぎますよね。
カルロスは水に沈めたり引き上げたりの数時間。言われた通りずっと目を閉じていました。
家に戻り目を開いたら、すぐそばに畑の男がいて死ぬほど驚きます。
畑の男の顔に見覚えがあったそうですが、ドン・ファンに頭をたたかれて光景が消えていまいます。

ふーむ。じゃやっぱり畑の男が水の精だったのか。

ドン・ファンはカルロスに裏手の水の方は向くなと命じ「お前が見たのは盟友だ」と明言します。(分離236、237)

ここに興味深い記述があります。

カルロスは自分が見ている部屋の様子の現実味が何か変と感じ、「わたしが自分の知覚の究極的な『現実性』を信じられなかったのはこれが最初だった」とあります。

ドン・ファンは今後も「知覚がすべてだ」のような表現をします。
自分たちが当たり前だと思っている現実が実はそうではない。寝ている時の夢も現実も同じようなものなのだと言います。ここにおいてカルロスは新たな世界の認識に正式に一歩踏み出したのです。(分離236)

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