2013年10月28日月曜日

フィルムスキャナー

あたしの「自炊」はもちろん蔵書の整理整頓なのですが、自分の死ぬ準備の一環でもあります。

※追記) その後、こうした活動は「終活」と呼ばれるようになりました(2016年6月)

陰気な話ではなくていつかはくる死の前にできるだけ整理整頓をしておきたいなというのが根底にあります。もちろん自分が死んだ後のことなんて知ったことではないのですが、死ぬ少し前に心残りがあると死に際に余分なこと考えてゆったりできないのではなんて思ったりします。

一人でつましく暮らしでいた女性が亡くなって。

後片付けをしたら部屋がきれいになっていて残っていたのは、「つづら」が一つだけだったという話をどこかで読んだことがあります。
なんだか羨ましい話です。物なんて持てば持つほど心配事が増えるわけですから。

『親の家をかたづけながら』はフランスの作家が自分の親が亡くなった家に行って残された荷物を片付ける話ですが、親が長年集めたコースターやレストランの紙ナプキンに呆れる姿など読みながらこりゃこの作業は万国共通なんだなと妙な感心をしてしまいました。

あたしは自分自身の準備を進めながら親の家も片付けています。
母親は存命ですが、今の内に準備を進めています。
そんな中、やはり写真は大切な物なので家の中でバラバラに保管されているものを見つける度に一か所に集めています。

実家の本棚の整理が、スキャニングと一緒に少しずつ進んでいくうちに本棚に一緒に入っていファイルやフォルダー類が気になってきました。
学生時代のスケッチやらが入っているスクラップやらも捨てがたいですが、膨大なる量のスライドがあります。

当 時は、パワポがなかったので建築の学生は作品を撮影してポジ(スライド)にしてプレゼンするのが主流だったのです。先生たちも自分のスライドのコレクショ ンを持っていて自分が所有している秘蔵のスライド(貴重な建築写真とか)は絶対に人に貸さない、みたいなこともありました。

建築資料をスライドにするので普通の写真もネガではなくてポジにすることが多く、家には分厚いスライドフォルダが何冊も溜まりました。

そうだ!これらもデジタル化しておこう!と思い立ちました。

そのためにはフィルムスキャナーという機械が必要なのですが、すごく高価なものだったと記憶していました。ところが今ネットで調べてみると夢のように安価なものが出回っていたので買っておきました。

本の処理がまだまだなので本格作業にかかるのは先のことですが、一冊だけスライドファイルを持ち帰ってきて古いスライドを取り出してみました。

現れたのは大学二年の時に作った作品です。
いわゆる「作品」ですが、いやはや甘酸っぱいものがこみあげてくるですよ。

立方体をテーマに好きな発想で作品を作り、次にそれを絵で描写するという課題でした。

背景は、当時の壁紙ですね。
壁に貼り付けて撮影したのかなぁ。
カメラは、ニコンのニコマートってやつでした。

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